2019.09.12 Thursday

不動産登記簿から見る相続登記未了土地

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    法務省では所有者不明土地問題に対応するため、全国10カ所の地区(調査対象約10万筆)で相続登記が未了となっている土地を調査し、その結果を公表しています。調査地区は、地域差を考慮し、大都市・中小都市・中山間地域などバランスを考えて、自治体の協力を得た上で実施したというコトです。

     

    調査対象とした自然人名義の所有権の個数は、11万8346件というコトです。大ざっぱな数としては、

     

    大都市では、最後の登記から90年以上経過しているモノ;0.4%、最後の登記から70年以上経過しているモノ;1.1%、最後の登記から50年以上経過しているモノ;6.6%

     

    中小都市・中山間地域では、最後の登記から90年以上経過しているモノ;7.0%、最後の登記から70年以上経過しているモノ;12.0%、最後の登記から50年以上経過しているモノ;26.6%

     

    という結果でした。大都市と中小都市・中山間地域の違いは、大都市は宅地割合が高いのに対して、中小都市・中山間地域では、田・畑や山林の割合が高いことが考えられます。従って、一概には言えないことですが、考えられる点は、以下のとおりです。

     

    1 同じ宅地であっても、大都市の方が利用価値が高いため、流動性があり、50年以上経過しても名義が変わっていない割合は5.4%と低い。一方、中小都市・中山間地域にあっては、宅地であっても、50年以上名義変更がなされていない割合は、10.5%とけっこう高い。

     

    2 田・畑にあっては、大都市の50年以上経過しても名義が変わっていない割合は、14.8%であるのに対し、中小都市・中山間地域にあっては、23.4%と、地方では農家を次ぐモノがいない実情が垣間見れます。

     

    3 さらに山林に至っては、大都市では総数も少ないのですが、50年以上放置されているモノが8.9%であるのに対し、中小都市・中山間地域においては、32.4%と圧倒的に高い割合で放置されています。

     

    これらの割合は、高齢化や大都市圏への人口流入に歯止めがかからない限り、ますます高くなることが予想されます。まずは、山林→田・畑の順で、所有者の分からない土地が増えていきますが、宅地であっても、不便な土地であれば、相続後に買い手もつかずに放置されて、いずれは所有者不明な土地になることでしょう。こういったことから、国の方でも、何らかの対策を講じることが必要となっています。

     

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