2019.02.12 Tuesday

相続登記は義務化されるの?

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    法務省が所有者不明土地が増えている現状を打開するために、民法と不動産登記法の改正に乗り出すようです。

     

    具体的には、相続登記の義務化や土地所有権の放棄制度の創設を考えており、法制審議会に諮問して、2020年の国会に法案提出する方向で動き出すようです。

     

    2016年の時点で、所有者不明の土地は、約410万ヘクタールに達して、九州全土の面積に匹敵しています。現在も増え続けており、20年後には、約720万ヘクタールに達して、北海道全土の面積(約780万ヘクタール)に匹敵する広大な敷地が所有者が不明な土地となることが推測されます。さすがに、このような異常事態を国としても見過ごすことができなくなったというコトでしょう。

     

    ただし、相続登記を義務化したとしても、現在の地方で老親が暮らし、子が都会で暮らしたまま帰ってこないという状況が続く限り、結局は、地方の土地は、固定資産税を払い続けるだけの厄介なモノという位置づけは変わりません。田舎の不動産に何の愛着も未練もない子らにとっては、相続放棄が増えるだけという結果に終わりそうな気もします。たとえ、罰則を設けたとしても、相続登記が今まで以上に促進されるかは疑問です。地方の土地でも売れる土地は良いのですが、郊外の農地や山林を含む土地にあっては、なかなか後を継ぐ者がいないのが現状ではないでしょうか。むしろ、大都会に権力や経済を集中させる従来型の構造を改めて、地方の都市機能を充実させる方向に梶を切っていかないと、国としての将来が危ぶまれてなりません。つまり、地方が暮らしやすく、リタイヤ後は田舎に戻ってのんびりと生活ができるとった政策を考えていかないと行く詰まってしまうように思います。もっとも、これには社会保障政策の充実も欠かせませんが・・・・。

     

    土地所有権の放棄の問題も根っこは同じで、地方での土地活用が促進されれば、土地を放棄するヒトも少なくなるので、結局は魅力のある住みやすい地方が出現するか否かにかかっているのでしょう。活用する途が無ければ、県も市町村も遺言をしても受け入れない現状から見て、問題の抜本的な解決策にはならないでしょう。少なくとも、当面は国が不要な土地を適正な価額で100%買い上げる仕組みを作って、買い上げた土地を有効に再利用する方策を考えていくことが賢明な方策でしょう。土地の問題は国土の問題なので、国も真剣に取り組んでいただきたいモノです。

     

    所有者が一部不明でも、共有者のうち、一人でも現存すれば、土地活用ができるという仕組みは重要で、相続人が増えてしまって行方不明の者が一部いるようなケースでは、家裁の財産管理人の手続を経ずに活用できる途ができれば、それはそれで有効でしょう。私もかつては、岡山県の津山時代に、苫田ダムの土地活用を巡って、さんざんに苦労した経験があるので、農地や山林は実際の所有者が当時に現存していたかすら不明の土地というものは、現実には数多く存在しています。現在分かっている人のみで、公共的に土地利用ができるのであれば、それはそれで、土地活用の途は開かれるモノと思います。

     

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