2019.12.26 Thursday

相続のワンポイント・レッスン(その14)〜遺留分

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    遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人について、その生活保障を図るなどの観点から、最低限の取り分を確保する仕組みです。

     

    従って、子どもがいないために配偶者と兄弟姉妹が相続人となる場合は、「全財産を配偶者に与える」旨の遺言を残していれば、兄弟姉妹から相続分を請求されるということはありません。

     

    遺留分は、相続の開始前に放棄をすることはできるのですが、家庭裁判所の許可が必要です(民法1049条 法0篶永の放棄が認められたとしても、相続人の地位までも失うことはないので、「遺留分をもたない相続人」という立場になります。つまり、遺言が無くて、全く相続に関与したく無い場合には、相続開始後に改めて、相続の放棄(民法938条)が必要になります。

     

    今回の改正で、遺留分に関する権利の行使は、遺言や遺贈を受けたモノに対し、遺留分侵害額に相当する金銭債権を取得することになりました。

     

    つまり、これまでの「遺留分減殺請求」という形から、「遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができる」とされました(民法1046条 法

     

    遺留分の算定方法も見直され、これまで相続人に対しては無制限であった特別受益の期間が、相続人に対する生前贈与は10年以内、相続人以外では1年以内となっています(民法1044条)。

     

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    2019.12.19 Thursday

    相続のワンポイント・レッスン(その13)〜寄与分・特別な寄与

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      相続人の一人が亡くなったヒトに対して、療養看護などをして亡くなったヒトの財産を維持した場合に、遺産分割の話し合いの際に、本来の相続分を超える財産を取得させる制度として、「寄与分」があります(民法904条の2)。

       

      これは、亡くなったヒトの財産の維持、増加に貢献した相続人に対し、その「寄与」度を評価して、相続分を超える額の財産を取得させることによって、相続人間の公平を図る仕組みです。

       

      話し合いで寄与分の金額が定まればよいのですが、話し合いがうまくいかなかった場合は、家庭裁判所での調停・審判の中で金額を定めることになります。この場合は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定めることになります(民法904条の2◆法

       

      「寄与分」は、相続人にしか認められておらず、これまでは長男の嫁がいくら献身的に義理の父母に療養看護をしても、直接には認められることはありませんでした。

       

      改正法では、亡くなったヒトの親族にも「特別の寄与」を認める制度を創設しました(民法1050条)。

       

      つまり、義父母と同居する長男の妻が、義理の父母を療養看護する場合に、「特別な寄与」と認められる場合には、「特別寄与者」の寄与に応じた金額の支払いを、相続人に対して行うことができるようになりました。

       

      話し合いで終わればよいのですが、話し合いがつかない場合には、家庭裁判所に対して、「協議に代わる処分」を求めることができるようになりました(民法1050条◆法

       

      ただし、この手続きは、相続の開始と相続人を知って6か月、又は相続開始の時から1年を経過すると、請求が出来なくなりますので、ご注意願います。

       

      *「特別の寄与に関する処分」は、家事事件手続法別表第二の15にあたり、調停から始めることになっています。

       

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      2019.12.16 Monday

      相続のワンポイント・レッスン(その12)〜特別受益

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        「特別受益」というコトバをご存じでしょうか?

         

        亡くなった方から、生前に、結婚や養子縁組をするに際して、または生活費の援助として、まとまったお金をもらうことがあると思います。遺産分割の話し合いをする際に、生前の贈与を相続分の先取りと考えて、これらの金額を相続財産に組み入れて、相続分(もらう金額)を調整することで相続人間の公平を図る仕組みです。

         

        この場合の生前の贈与を「特別受益」(民法903条)と呼んでいます。

         

        従って、生前にもらったお金が相続分の金額を超えているときは、相続分を受け取ることができなくなります(民法903条◆法

         

        この特別受益の考え方は、亡くなったヒトが、相続分に組み込まなくてもよいとの意思を明確にしておけば、その意思に従うことになります。これを「特別受益の持ち戻しの免除」と呼んでいます。

         

        今回の改正では、結婚していた期間が20年以上ある夫婦間では、夫又は妻が、他の一方に住むための住居(土地・建物)を贈与したときは、亡くなった方の「特別受益の持ち戻しの免除」の意思を推定するとして、相続分として考えないことになりました(民法903条ぁ法

         

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        2019.12.09 Monday

        相続のワンポイント・レッスン(その11)〜相続登記

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          相続登記は早めに済ませましょう!

           

          相続登記をすることは、相続人の義務ではないため、そのまま相続人の一人が先祖代々の土地に住み続けている場合は、現在も古い名義のままの不動産(土地・建物)が多数存在します。これらの不動産をいざ売ろうとしたり、貸したりしようとすると、問題が生じます。売却するためには、相続人全員の同意が必要なのですが、相続登記を放置しておくと、二次相続、三次相続と相続人がどんどん広がってきて、中には行方が分からない者も出てきて、結局「所有者不明土地」となってしまいます。

           

          親の不動産であっても、令和元年7月1日以降に開始した相続であれば、法定相続分を超える登記については、対抗問題となりました(民法899条の2 法従来は、判例上も、相続分の指定及び遺産分割方法の指定による不動産の権利取得については、登記が無くても、第三者に対抗することができるものとされてきましたので、大きな違いです。

           

          つまり、以前は遺言や遺産分割協議書を持っていれば、いつでも相続登記をすることができたのですが、改正後は、早めに登記をしていないと、思わぬトラブルに巻き込まれる危険がありますので、ご注意願います。いずれにしても、相続登記は早めに済ませてすっきりしましょう。

           

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          2019.11.25 Monday

          相続のワンポイント・レッスン(その10)〜不動産を法定相続分で登記するとき

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            相続開始後、亡くなった方名義の不動産がある場合に、遺言がない場合は、相続人の間で遺産分割の協議を経て、相続人の誰か一人の単独所有にすることが多いと思います。

             

            遺産分割の協議がまとまらず、ひとまず共同相続人全員の名義で、法定相続分の登記をする場合、どのようにして登記の手続をとるのでしょうか?

             

            共同相続人の一人が単独で、相続人全員の法定相続分による登記申請ができます。

             

            この場合、登記申請書を作成し、相続関係の分かる戸籍を揃えて、法務局で申請すれば、比較的簡単に登記ができます。「相続関係説明図」を作成して、提出すれば、戸籍関係書類は返してもらえます(詳しいことは、法務局のHPをご覧ください)。

             

            ただし、いったん共有名義にしてしまうと、共有持分を変更したり、単独所有にしようとする場合、共有物分割の調停か、再度遺産分割協議書を作成する必要がありますので、ご注意ください。なお、この場合は贈与税がかかる場合もありますので、最終的には税務署に確認することが必要となります。

             

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            2019.11.18 Monday

            相続のワンポイント・レッスン(その9)〜特別縁故者

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              「特別縁故者」というコトバをご存じでしょうか?

               

              「おひとりさま」で相続人が誰もいない場合は、利害関係人の請求により、家庭裁判所で「相続財産管理人」を選任することになります(民法952条)。この相続財産管理人は、相続人が本当にいないかどうかを調査をしたり、被相続人(亡くなったヒト)の債権者に弁済をしたりして、残った相続財産を国に引き渡すのが仕事なのですが、清算後最後の3ヶ月内に「特別縁故者」から申出があれば、家庭裁判所の審理を経て、相続財産の全部又は一部を引き渡すことになっています(民法958条の3)。

               

              特別縁故者とは、“鐐蠡蛙佑叛厳廚鯑韻犬していた者、被相続人の療養看護に努めた者、その他被相続人と特別の縁故があった者とされています。この場合、家庭裁判所で、個別の事情を「家庭裁判所調査官」が具体的に調査した上で、実質的にどの程度の縁故があったのかを裁判官が判断することになります。この縁故の度合いと相続財産の総額を併せて考慮した上で、全部分与なのか、一部分与なのかを判断します。

               

              相続人であれば、法定相続分があり、相続人以外の親族であれば、特別の寄与(民法1050条)という途もあるのですが、これらにも該当する者がおらずに、ただ国に帰属するさせるほか途がない場合には、最後の方策として、特別縁故者という途もありますので、知っておくと良いでしょう。

               

              「おひとりさま」で相続人がいない場合には、「特別縁故者」に相続財産が分与される場合があります。

               

              裁判所のHPはこちら

               

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              2019.11.11 Monday

              相続のワンポイント・レッスン(その8)〜法定相続情報証明制度

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                遺産の名義変更に「法定相続情報証明制度」を活用しよう!

                 

                平成29年5月29日から相続登記の促進を目的として、「法定相続情報証明制度」がスタートしました。

                 

                この制度は、戸籍をもとに「法定相続情報一覧図」を作成し、法務局の登記官に証明してもらうモノです。

                 

                手数料は、無料です。

                 

                この一覧図は、弁護士・司法書士・行政書士などに依頼して作ってもらうこともできます。

                 

                これにより、戸籍の束を持ち歩く必要は無くなります。最近では、ほとんどの金融機関で利用できるようになりました。不動産の名義変更だけでなく、預貯金を含む遺産の名義変更に活用されてはいかがでしょうか?

                 

                 

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                2019.11.04 Monday

                相続のワンポイント・レッスン(その7)〜預貯金の払戻し制度

                0

                  相続開始後、単独で、亡くなったヒトの預貯金の一定額の払い戻しができるようになりました。

                   

                  本年7月1日より預貯金の払い戻し制度が創設され、預貯金が遺産分割の対象となる場合に、各相続人は、遺産分割の話し合いが終わる前であっても、単独で、預貯金の払い戻しができるようになりました。

                   

                  この制度は、一金融機関につき、

                  相続開始時の預貯金の債権の額 × 1/3 × 払戻を受けるヒトの法定相続分 を単独で払戻しができるというモノで、

                  最高限度額は150万円までと決まっています。

                   

                  150万円を超える金額の払戻しを受けたい場合には、家庭裁判所に仮分割の仮処分の申立をするようになります。

                  この場合は、通常の保全処分の要件を緩和することになっており、仮払いの必要性が認められれば、家庭裁判所の判断で必要な金額の払戻しを受けることができます。

                   

                  そのため、債務の弁済や葬儀・法要、残された遺族の生活費などで緊急に必要な出費が予想される場合は、この手続きを踏むこと良いでしょう。

                   

                  * 従来は、最高裁平成28年12月19日の判例により、共同相続人全員の合意(遺産分割協議の成立)がないと、単独での払戻しができなくなっていました。

                   

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                  2019.10.28 Monday

                  相続のワンポイント・レッスン(その6)〜デジタル遺品

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                    最近は、インターネットやスマートフォーンの普及により、「デジタル」な財産が増えてきました。「デジタル遺品」とは、故人が残したデジタル機器やインターネット上に残したデータのことを言います。

                     

                    最近では高齢者もネット証券やネット銀行を利用する方が増えています。将来的には、仮想通貨を利用するヒトも増えていくのではないかと思います。

                     

                    そうなると、相続財産として、これまでと違った調査が必要となってきそうです。ネット証券もネット銀行も基本的にはメールでのやりとりで完結するため、郵便物から存在を発見することができません。つまり、外部の第三者がその存在を知るためには、予め親族等に知らせておく必要がありそうです。

                     

                    そこで、一つの方法として、エンディングノートの活用を提案したいと思います。エンディングノートにネット証券上の株式・投資信託の情報やネット銀行の情報を載せておくなどして、「デジタル遺品」を発見することができる方法を明示しておくことをお勧めします。

                     

                    相続財産としての「デジタル遺品」に気をつけよう!

                     

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                    2019.10.21 Monday

                    相続のワンポイント・レッスン(その5)〜相続人がいない場合は?

                    0

                      最近は、「おひとりさま」が増えてきており、相続人が誰もいないケースも多くなってきました。この場合に、相続財産はどうなるのでしょうか?

                       

                      民法上、相続人が不明な場合は、利害関係人の請求により、家庭裁判所が、相続財産管理人を選任します(民法952条)。この相続財産管理人が、相続債権者及び受遺者に弁済をして、決められた期間内に相続人を捜索して、特別縁故者からの請求の後に、残った財産を国庫に帰属させることになります(民法959条)。

                       

                      しかし現実には、特別縁故者からの申立か、不動産に抵当権でも付いていない限り、利害関係人が現れることはないので、相続財産はそのまま放置されてしまいます。昨今の不動産の状況からみても、相続債権者がいても、売れない不動産が相続財産の場合は、まず相続財産管理人を申し立てる利害関係人は皆無でしょう。そもそも相続財産管理人の選任申立に際しては、30万円から50万円程度のお金を予納して、財産管理人の報酬に充てなければなりません。そのため、それなりの財産がなければ、メリットの方が少ないので、申立をためらうヒトの方が多いのが実情です。

                       

                      従って、相続人が不明な土地が増えていき、空き家問題がますます大きくなっていくのではないかと思います。そうならないためにも、生前の対策は必要です。

                       

                      相続人がいない「おひとりさま」は、遺言を活用して、自分の相続財産の承継先をしっかりと決めておきましょう。

                       

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