2020.05.11 Monday

相続預貯金をめぐる実務(その8)〜遺産の一部分割・仮分割の仮処分

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    最高裁平成28年12月19日大法廷決定以降、相続預貯金は遺産分割の対象とされ、法定相続人が複数存在する場合には、相続人全員の協力が得られないと、解約することができなくなりました。しかし、相続債務の弁済や相続人の生活費などで預貯金債権の払い戻しを行う必要がある場合があります。

     

    このような場合に使える方法として、遺産の一部分割仮分割の仮処分の二つの方法があります。

     

    ★ 遺産の一部分割<民法907条>

    不動産については相続人間で取扱いに相違がある場合であっても、相続預貯金について法定相続分で分割することに相続人間で合意が得られる場合には、預貯金に関してのみ遺産分割を先行して一部分割することができます。

    ただし、特別受益が問題となる事案においては、一部分割をしてしまうと、最終的な調整が困難になることから制限されますので、ご注意願います。

     

    ★ 仮分割の仮処分<家事事件手続法200条>

    預貯金債権の仮分割の仮処分(家事事件手続法の保全処分)は、家庭裁判所に申し立てて、遺産の全部又は一部を仮に取得させる制度です。

    要件としては、以下の3点です。

     遺産分割の調停又は審判の本案が家庭裁判所に係属していること

    相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁など家庭裁判所が遺産に属する預貯金債権を行使する必要があると認める場合

     他の共同相続人の利益を害しないこと

    〜 仮分割の仮処分を申し立てることができるのは、遺産分割の調停・審判を申し立てた申立人又は相手方です。

    〜 通常の保全処分の要件が緩和されており、「急迫の危険を防止するために必要」という要件は課されていません。

    〜 仮処分の申立をした者に多額の特別受益がある場合は、その額は限定されます。

     

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    2020.05.08 Friday

    相続預貯金をめぐる実務(その7)〜名義預金

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      預貯金の名義が相続人や第三者の名義で「亡くなった方(被相続人)以外の名義」になっている場合でも、実質的に亡くなった方が管理をしていて、所有者と言える預貯金があります。これを一般的に「名義預金」と呼んでいます。

       

      「名義預金」は、亡くなった方の名義ではなくても、亡くなった方の遺産として、遺産分割の対象となり、相続税の申告の対象にもなります。

       

      <預金者の判断基準>

      (客観説)

      自らの出捐により自己の預金とする意思で銀行に対して本人自ら又は使者、代理人を通じて預金契約をしたモノを預金者とする。

      (主観説)

      預入行為者が他人の預金であることを表示しない限り、預入行為者を預金者とする。

      〜 判例は、無記名定期預金、記名式定期預金について、客観説の立場です。

       

      (裁判例)

      被相続人以外の者の名義である財産が相続開始時において被相続人に帰属するものであったか否かは、当該財産又はその購入原資の出捐者、当該財産の管理及び運用の状況、当該財産から生じる利益の帰属者、被相続人と当該財産の名義人並びに当該財産の管理及び運用をする者との関係、当該財産の名義人がその名義を有することになった経緯を総合考慮して判断するのが相当である。

       

      〜 預貯金が亡くなったヒトの遺産かどうかについて争いがある場合には、遺産確認訴訟を提起して決着をつけることになります。

      〜 預貯金が名義預金であることが確認されれば、この預貯金を遺産に含めて、相続人間で遺産分割の協議を進めることになります。

       

      * 実質的に被相続人の所有する「名義預金」の場合は、被相続人の名義でなくても、被相続人の遺産として、遺産分割の対象になり、相続税の申告の対象ともなりますので、注意しましょう。

       

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      2020.05.04 Monday

      相続預貯金をめぐる実務(その6)〜相続開始後における遺産預貯金の無断払い戻し

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        相続開始後に相続人の一人が、遺産分割の協議をする前に、遺産である預貯金を払い戻した場合、どのような問題が生じるのでしょうか?

         

        <最高裁大法廷平成28.12.19決定前>

        預貯金債権は可分債権と考えられており、自己の持分については金融機関に払い戻しを求めることは可能でした。自己の持分を超えて払い戻しを受けた場合、遺産分割の協議前に現存していないときは、遺産分割の対象になりませんでした。従って、法定相続分に応じた割合による持分の侵害があったときは、不法行為に基づく損害賠償請求か、不当利得に基づく返還請求しか方法はありませんでした。

         

        <最高裁大法廷平成28.12.19決定後>

        共同相続された預貯金について、相続開始と同時に、当然に相続分に応じて分割されることはないとして、「預貯金も遺産分割の対象となる」と判示しました。そのため、以後は相続人間で遺産分割協議をするか、家庭裁判所で調停・審判を経ないと、預貯金の払い戻しができなくなりました。

         

        <相続法改正後の変更>

        預貯金に限らず、相続開始後に処分された財産について、一定の要件を満たせば、遺産分割時に遺産として存在していたモノとみなし、遺産分割の枠組みの中で、共同相続人の公平を図ることができるようになりました。

        (民法906条の2)

         ^篁困諒割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。

        ◆〜姐爐竜定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。

         

        * 無断で相続開始後に預貯金を払い戻した相続人がいた場合、他の相続人の同意があれば、遺産分割の対象として相続財産に含めることができるようになりました。

         

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        2020.05.01 Friday

        相続預貯金をめぐる実務(その5)〜金融機関に対する預貯金の払戻し

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          今回は、金融機関に対して預貯金の払い戻しを請求する場合を^筝世ない場合、遺言がある場合に分けて説明します。

          <遺言がない場合>

          ☆ 法定相続人が複数いる場合に、法定相続人の一人からの相続預貯金の払戻し請求は、原則として認められません。

          平成28年最高裁大法廷決定

           被相続人の預貯金について、相続が生じた場合、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる。

          〜 相続預貯金は、相続人の準共有になるため、相続人全員による遺産分割協議が必要になります。協議が整わなければ、調停・審判を経て払い戻しを請求しなければなりません。

          〜 相続法改正により、各相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始時の債権額の3分の1に法定相続分を乗した金額(150万円以内)につき、単独で払い戻すことができるようになりました(民法909条の2)。

          * 預貯金も遺産分割の対象となっているため、遺言で受遺者を指定しておくことをお勧めします。

           

          <遺言がある場合>

          ☆ 遺言があり、遺言において特定の相続人に預貯金を相続させる旨の記載があるケースについて、原則として受益相続人のみで相続預貯金の払い戻しを請求するコトができます。

          相続法改正後

          〜 法定相続分を超える部分については、対抗要件を備えることが必要になります(民法899条の2)。つまり、債権の権利の承継に関して、受益相続人が遺言の内容を明らかにして、債務者に承継の通知をします。

          〜 遺言執行者は、預貯金債権について、払い戻し請求・解約の申し入れをすることができるようになりました(民法1014条)。

          * 遺言において、特定の相続人に預貯金を相続させる場合は、遺言執行者を指定しておく方が後の手続をスムーズに進めることができます。

           

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          2020.04.25 Saturday

          一問一答 新しい相続法

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            改正相続法の立案担当者が、改正相続法の趣旨・内容を分かりやすく解説した本です。

             

             

            この本によると、今回の改正の特徴として、以下の3点を挙げています。

             ’朸者保護を目的とした新たな制度を設けたこと

            ◆^筝世陵用を促進するための方策が多く盛り込まれたこと

             相続人を含む利害関係人の実質的な公平を図るための見直しがなされたこと

             

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            2020.04.24 Friday

            相続預貯金をめぐる実務(その4)〜預貯金と遺留分侵害額請求

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              今回は、預貯金と相続法改正後の遺留分制度の説明です。

               

              従来は、遺留分減殺請求権は物権的な効力があるとされ、目的財産に対して共有関係が生じるとされてきました。そのため、遺留分減殺請求権を行使した場合に、権利関係が複雑になり、手続が煩雑になることが多々ありました。

               

              改正後の遺留分制度

              (1)遺留分侵害額請求の法的性質

                〜 遺留分を侵害されたモノは、受遺者・受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を求めることができるようになりました。この結果、従来のように現物返還を求めることはできなくなりました。

              (2)受遺者・受贈者の負担額

                〜 受遺者と受贈者とがあるときは、受遺者が先に負担する。

                〜 受遺者が複数あるとき、受贈者が複数ある場合においてその贈与が同時にされたモノであるときは、受遺者又は受贈者がその目的の価額の割合に応じて負担する。

                〜 受贈者が複数ある場合は、後の贈与に係る受贈者から順次前の贈与に係る受贈者が負担する。

              (3)受遺者又は受贈者の保護

                〜 裁判所は、受遺者又は受贈者の請求により、遺留分侵害額の全部又は一部の支払について、相当の期限を与えることができるようになりました。つまり、相続財産が不動産のみの場合は、遺留分侵害額を金銭で一時に支払うことが困難な場合が多いため、裁判所の許与を得て相当の期限の猶予を得ることができるようになりました。

               

              ☆預貯金と遺留分

               〜 改正民法1046条は、遺留分は、受遺者・受贈者に対する遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求する権利としています。そのため、遺留分権利者は、直接に預貯金債権について金融機関に対し請求するコトはできなくなりました。つまり、遺留分権利者は、受遺者・受贈者に対して、直接侵害額の請求することになります。

               

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              2020.04.20 Monday

              相続預貯金をめぐる実務(その3)〜預貯金と遺言

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                遺言によって、遺言者は、包括的な遺贈、特定遺贈などの遺産の処分ができます。また、相続分の指定や遺産分割の方法の指定も、遺産相続に関して遺言の重要な法的な効果を与えます。今回の相続法改正によって、遺言執行者の権限が明確になりました。特に「おひとりさま」で法定相続人以外に預貯金を遺贈する場合には、遺言執行者の指定が不可欠ですので、ご注意願います。

                 

                (包括遺贈・特定遺贈)

                ☆ 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる(民法964条)。

                 

                (遺言による相続分の指定)

                ☆ 被相続人は、前二条(法定相続分・代襲相続人の相続分)の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる(民法902条 法

                 

                (遺産の分割の方法の指定・遺産の分割の禁止)

                ☆ 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる(民法908条)。

                 

                <法定相続人以外の者に預貯金を特定遺贈する場合>

                〜 指名債権である預貯金債権を特定遺贈する場合には、受遺者は、債権譲渡の対抗要件を備える必要がある。そのため、遺贈義務者である被相続人の法定相続人ら全員が債務者である銀行に通知をするか、銀行が承諾をしなければならない。

                〜 遺言に遺言執行者の定めがある場合には、遺言執行者が遺贈義務者となり、遺言執行者から銀行に対して通知すればよい。

                 

                <法定相続人以外の第三者へ預貯金債権を含む相続財産が包括遺贈されている場合>

                〜 特定遺贈がなされた場合と同様に、包括受遺者も債権譲渡の対抗要件を具備することが必要である。現行の銀行実務においても、特定遺贈と包括遺贈を区別せずに、債務者への対抗要件が必要と考えられており、遺言執行者からの銀行への通知が必要である。

                 

                <法定相続人へ預貯金債権を特定遺贈する場合>

                遺言により法定相続人に預貯金を承継させる場合、^簑による場合(民法964条)、遺産分割方法の指定(民法908条)の二つの方法がある。「相続させる遺言」の場合は、遺産分割方法の指定と考えられている。

                〜 預貯金債権の相続については、法定相続分を超える部分については、債権譲渡の対抗要件を具備することが必要である(民法899条の2)。

                〜 預貯金債権につき特定財産承継遺言がなされた場合は、遺言執行者は、債務者への通知など対抗要件の具備に必要な行為をすることができる。

                 

                <遺言執行者の権限の明確化>

                (民法1012条ー遺言執行者の権利義務)

                  ^筝声更埃圓蓮遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。

                 ◆^筝声更埃圓ある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。

                (民法1015条ー遺言執行者の行為の効果)

                   遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生じる。

                (民法1007条◆

                   遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。

                (民法1014条◆↓、ぁ柴団蟶盪困亡悗垢覦筝世亮更圈

                 ◆^篁困諒割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言があったときは、遺言執行者は、当該共同相続人が第899条の2,傍定する対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。

                  前項の財産が預貯金債権である場合には、遺言執行者は、同項に規定する行為のほか、その預金又は貯金の払戻しの請求及びその預金又は貯金が係る契約の解約の申入れをすることができる。

                 ぁ〜案鷙爐竜定にかかわらず、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

                 

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                2020.04.17 Friday

                相続預貯金をめぐる実務(その2)〜預金者死亡による預貯金契約の効力

                0

                  預金者が死亡した場合に、その預金契約は終了するのでしょうか?

                   

                  預金契約を消費寄託契約と解する立場にたてば、従来は消費貸借の規定が準用されていたので(改正前の民法666条 法⇒其蘯圓了猖瓦砲茲辰禿然に終了することはありませんでした。

                   

                  平成28年12.19当時の最高裁の考え方としても、「普通預金契約には、委任又は準委任の性質も含まれるが、預貯金契約の中心的な要素はあくまで消費寄託であると解されるから、被相続人の死亡によって普通預金契約が当然に終了することはなく、共同相続人は、普通預金契約上の地位も承継する。」とされています。

                   

                  ☆ 銀行の実務の取扱い

                  〜 普通預金は、何回でも、いくらでも入出金ができ、残高がゼロになっても解約しない限り、口座は存続し、預貯金者が死亡しても当然に解約とはなりません。

                   

                  従来は、判例は金銭債権を可分債権と考えており、預金債権も可分債権と解していました。相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割され、各共同相続人に相続分に応じて帰属するモノという考えに立っていました。その結果、預貯金債権は遺産分割の対象と考えていませんでした。

                   

                  <最高裁平成28.12.19決定>

                  「預貯金債権は、相続開始と同時に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる」と従来の考え方を改めました。

                  ☆ 普通預貯金債権の性質

                   〜 預金者が死亡することにより、普通預金債権及び通常貯金債権は共同相続人全員に帰属するに至るところ、その帰属の態様について検討すると、上記各債権は、口座において管理されており、預貯金契約上の地位を準共有する共同相続人全員で預貯金契約を解約しない限り、同一性を保持しながら常にその残高が変動し得るモノとして存在し、各共同相続人に確定額の債権として分割されることはない。

                  ☆ 定期貯金債権の性質

                   〜 定期預金についても、定期郵便貯金と同様の趣旨で、契約上その分割払い戻しが制限されているモノと解される。定期預金債権が相続により分割されると解すると、それに応じた利子を含めた債権額の計算が必要となる事態を生じかねず、定期貯金にかかる事務の定型化、簡素化を図るという趣旨に反する。

                   

                  ★ 最高裁は、銀行の定期預金を含む全ての預貯金債権について、遺産分割の対象と考えています。ただし、使途不明金の不当利得返還請求権や損害賠償請求権等の可分債権は、遺産分割の対象とは考えていないようです。

                   

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                  2020.04.14 Tuesday

                  相続預貯金をめぐる実務(その1)〜預貯金の法的性質

                  0

                    ★ 預貯金の法的性質

                    〜 従来より通説として、預貯金は消費寄託契約(民法666条)と解されてきました。改正民法では、預金契約を消費寄託契約と解した(民法666条)上で、期限前の金銭の返還については、特則を設けました(民法591条)。

                     

                    <判例>

                     普通預金は、取引開始の際に、預金者と銀行との間で約定書を作成して払込みの方法、利息等について契約を締結し、預けられた金額は常に既存の残高と合計された一個の債権として取り扱われ、預け入れごとに金額を区分けして取り扱うことは予定されていないものであるから、一個の包括的な契約が成立しているものと解すべきであり、個々の預入金ごとに各別の預金債権が成立するとみることはできない(東京地裁平成6.7.29)

                     

                    ☆ 預金契約は、預金者が金融機関に金銭の保管を委託し、金融機関は預金者に同種、同額の金銭を返還する義務を負うことを内容とするものであるから、消費寄託の性質を有するものである。しかし、預金契約に基づいて金融機関の処理すべき事務には、預金の返還だけではなく、振込入金の受入れ、各種料金の自動支払い、利息の入金、定期預金の自動継続処理等、委任事務ないし準委任事務の性質を有するモノも多く含まれている(最高裁平成21.1.22)

                     

                    ☆ 普通預金契約及び通常貯金契約は、いったん契約を締結して口座を開設すると、以後預金者がいつでも自由に預け入れや払い戻しをすることができる継続的取引契約であり、口座に入金が行われるたびにその額についての消費寄託契約が成立するが、その結果発生した預貯金債権は、口座の既存の預貯金債権と合算され、1個の預貯金債権として扱われるモノである。また、普通預金契約及び通常貯金契約は、預貯金残高が零になっても存続し、その後に入金が行われれば、入金額相当の預貯金債権が発生する(最高裁平成28.12.19)

                     

                    判例の考え方は、預貯金の法的性質について、消費寄託契約と委任ないし準委任契約の性質を有する。普通預貯金については、口座に入金が行われるごとにその額について消費寄託契約が成立するが、その結果発生した預貯金債権は、口座の既存の預貯金債権と合算して、一個の預貯金債権になると解しています。

                     

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                    2020.04.13 Monday

                    配偶者居住権を考える(その3)〜配偶者短期居住権

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                    配偶者居住権(民法1028条)が遺産分割協議や遺言によって成立するのと異なり、配偶者短期居住権(民法1037条)は、一定の要件を満たせば、法律上当然に権利が生じます。

                     

                    つまり、配偶者短期居住権は、被相続人(亡くなったヒト)の配偶者(主に妻)が、相続開始時に、被相続人が所有する建物に無償で住んでいたという要件のみで、当然に発生する権利というコトが言えます。

                     

                    このため、遺言が無い場合には、遺産分割の話し合いをしないか、話し合いでまとまらない間は、ずっと配偶者は従来とおり居住建物に住み続けるコトができます。このことが高齢夫婦に安心感を与えることにつながります。

                     

                    従来、判例(最高裁平成8.12.17)においても、相続人の一人が相続開始時に、被相続人所有の建物に居住していた場合には、特段の事情がない限り、被相続人とその相続人の間で、相続開始時を始期として遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立したものと推認されると判示していました。そのため、従来の考えと、大きくは違ってこないモノと考えられます。

                     

                    ただし、第三者に居住建物が遺贈されてしまった場合、最低でも6ヶ月間は配偶者に居住する権利が保障されている点は、従来の考え方よりも高齢配偶者に配慮した法律構成となっています。この場合には、居住建物取得者から配偶者短期居住権の消滅の申し入れを受けた日から6か月を経過する日まで住み続けることができます(民法1037条1項2号)。

                     

                    いずれにしても、地方においては、この配偶者短期居住権を利用して、居住建物に引き続き住み続けるヒトが多くなりそうです。

                     

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