2019.06.07 Friday

遺留分を侵害された者は、誰にいくら請求できるの?

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    令和元年7月1日から改正される遺留分制度の見直しについて、法務省によるパンフレットによると、

     

    遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人について、その生活保障を図るなどの観点から、最低限の取り分を確保する制度です。今回の改正により、遺留分を侵害された相続人は、被相続人から多額の遺贈又は贈与を受けた者に対して、遺留分侵害額に相当する金銭を請求することができるようになります。

     

    遺留分及び遺留分侵害額については、次の計算式により算定します。

     

    遺留分=(遺留分を算定するための財産の価額(*1)× 2分の1(*2))×(遺留分権利者の法定相続分)

     

    遺留分侵害額=(遺留分)−(遺留分権利者の特別受益の額)−(遺留分権利者が相続によって得た積極財産の額)+(遺留分権利者が相続によって負担する債務の額)

     

    *1 ・・・遺留分を算定するための財産の額=(相続時における被相続人の積極財産の額)+(相続人に対する生前贈与の額(原則10年以内)+(第三者に対する生前贈与の額(原則1年以内)−(被相続人の債務の額)

     

    *2・・・直系尊属のみが相続人である場合は3分の1

     

    以上でお分かりのように、遺留分を請求する場合は、前提となる遺産の範囲(遺留分侵害額)について、注意が必要です。

     

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    2019.06.06 Thursday

    遺留分(イリュウブン)って何?

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      今回は、遺留分について解説します。

       

      遺言があった場合に、遺留分を侵害されたということで、遺留分を請求されたという話を耳にすることは多いのではないかと思います。つまり、亡くなった人と一定の法定相続人には、一定割合の相続分が予め保障されている制度です。

       

      兄弟姉妹以外の相続人には「遺留分」が認められており、配偶者や子どもには、法定相続分の2分の1の割合の遺留分が認められています(民法1042条)。遺言者の意思が遺言では絶対と言われていても、遺留分を侵害している場合は、「争族」の火種を残すことになります。

       

      つまり、4000万円の遺産を残して、夫が亡くなった場合は、妻は1000万円、長男は500万円、長女も500万円は最低限の遺産として保障されていることを意味します。遺言を作った場合に、この金額を侵害する場合は、遺言書の付言事項に理由を記しておくなどして、「遺留分」に対する配慮をしておく必要があります。

       

      今回の法改正により、遺留分を侵害された人は、遺言によって財産を与えられた人に対して、お金で侵害額を請求することになります。

       

      遺留分を侵害されたことで、金銭での請求をする場合、遺留分権利者は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年以内に請求しないと時効にかかります(民法1048条)ので、注意しましょう。

       

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      2019.06.05 Wednesday

      寄与分(キヨブン)って何?

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        今回は、寄与分について、分かりやすく解説します。

         

        寄与分とは、亡くなった方の財産の維持又は増加に「特別の寄与」をした相続人に対して、相続財産からその寄与分を差し引いた上で、相続分を算定する仕組みです。亡くなった方の生前に、長女が無償で介護をしたり、長男が家業に貢献して、財産の増加に寄与した場合に、その貢献度を与した上で金額に換算して、相続分を算定することになります(民法904条の2)。

         

        つまり、相続について話し合う際には、現在残っている財産のみならず、生前に亡くなった方にどのような貢献をして、残された財産の維持や増加に貢献したのかも加味した上で、話し合いをすることになります。相続人間で金額が決まらない場合は、家庭裁判所の調停・審判の中で決めていくことになります。

         

        今回の改正により、相続人以外の親族にも特別寄与料(金銭)の請求ができるようになりました(民法1050条)。

         

        もっとも、亡くなった方に遺言がある場合には、次回で説明する遺留分(いりゅうぶん)が問題となることがあります。

         

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        2019.06.04 Tuesday

        特別受益(トクベツジュエキ)って何?

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          遺産分割の話し合いをする際に、‘段娘益、寄与分が問題となることがあります。そこで、今回は、特別受益について分かりやすく解説したいと思います。

           

          相続の手続は、遺言がない場合には、亡くなった人(被相続人)が残した財産を、相続人間で話し合って分けることになるのですが、その際に一手間かける必要があるケースがあります。それが、遺産の修正要素と呼ばれる‘段娘益や、寄与分です。

           

          特別受益は、亡くなった方(被相続人)から、生前にまとまった財産の贈与を受けた相続人がいる場合に、公平の見地からその財産も相続財産の前渡しとみて、相続財産に組み入れることによって、相続全体のバランスをとる制度です。つまり、長男が、父親の生前に1000万円の贈与を受けていた場合は、その1000万円も相続財産に組み込んだ上で、全体の相続分を計算し、長男は法定相続分から1000万円を差し引いた金額が最終的な相続分になります(民法903条 法もっとも、長男の法定相続分が1000万円に満たない場合は、長男の取り分はゼロとなります(民法903条◆法K瓦なった方の生前の贈与は、今回の相続とは関係がないと亡くなった方が遺言で明言してくれていれば、特別受益は問題となりません(民法903条)。これを「特別受益の持ち戻しの免除」と呼んでいます。

           

          今回の相続法の改正により、婚姻期間が20年以上の夫婦で、一方が他方に対して、自宅の土地・建物を贈与したときは、当然に「特別受益の持ち戻し」が免除されることになりました(民法903条ぁ法従って、婚姻期間20年以上の夫婦間での自宅の生前贈与は、相続財産には組み込む必要はありません。

           

          寄与分については、次回に解説します。

           

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          2019.06.03 Monday

          相続に関するルールが7月1日から変わります。

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            相続法が改正され、原則的には令和元年7月1日から大きく変わります。1か月を切った時期ですが、7月1日から変わっていく主な事項を見ていきます。

             

             預貯金の払戻し制度の創設

            婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与に関する優遇措置

             遺留分制度の見直し

            特別の寄与の制度の創設 

            遺言執行者の権限の明確化

             

            ,砲弔い討蓮共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち、相続開始時の債権額の3分の1に共同相続人の法定相続分を乗じた額について、単独で下ろすことができるようになります(民法909条の2)。ただし、一金融機関につき、150万円が限度です。この規定は、7月1日より前に生じた相続に関しても、7月1日以降であれば、適用されます(附則5条)。

             

            △砲弔い討蓮特別受益の持ち戻しの免除が適用されます(民法903条ぁ法つまり、20年以上の婚姻期間を有する夫婦間にあっては、居住用不動産を生前に贈与しても、遺産分割の際に、特別受益として考慮されることはありません。この規定は、7月1日より前にされた遺贈又は贈与については適用されません(附則4条)。

             

            については、遺留分を侵害された者は、遺贈や贈与を受けた者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭のみを請求することができるようになります(民法1046条)。現行法のように、不動産を共有することはありません。

             

            い砲弔い討蓮∩蠡蛙涌奮阿糧鐐蠡蛙佑凌涜欧無償で被相続人の療養看護等を行った場合には、相続人に対して金銭の請求をすることができるようになります(民法1050条)。ただし、現在行われている遺産分割協議に加わることはありません。

             

            イ砲弔い討蓮遺言執行者の権限が明確になり、遺言執行者は、「遺言の内容を実現する」ために、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する(民法1012条)とされました。そのため、遺言執行者が任務を開始した時には、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならなくなりました(民法1007条)。この規定は、7月1日より前に生じた相続に関し、7月1日以降に就任した遺言執行者にも適用されます(附則8条)。

             

            * 「特別の規定」がない場合は、7月1日以降に開始した相続に適用されます。

             

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            2019.05.17 Friday

            改正相続法のポイント(その6)〜遺言執行者

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              今回は、改正法により明確になった「遺言執行者」について解説します。

               

              遺言執行者は、「遺言の内容を実現するため」に遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する(民法1012条)とされました。これまでは遺言執行者は、相続人の代理人という位置づけでしたが、本年7月1日以降は、相続人に直接の効力を有することになります。そのため、遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならないことになりました(民法1007条◆法

               

              また、特定遺贈がされた場合には、遺言執行者があるときは、遺贈の履行は遺言執行者のみが行うことができるようになります(民法1012条◆法

               

              民法1013条(遺言の執行の妨害行為の禁止)

              遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。

              2 前項の規定に違反してした行為は、無効とする。これをもって善意の第三者に対抗することができない。

               

              遺言執行者がある場合には、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき相続人の行為は無効であることが原則で、遺言の内容を知り得ない第三者の取引の安全を図る観点から、例外規定を設けています。

               

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              2019.05.13 Monday

              改正相続法のポイント(その5)〜特別の寄与

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                今回の改正で、相続人以外の親族が、相続人に対し、「特別の寄与」に基づいて金銭を請求することができるようになりました。

                 

                これまでは「寄与分」は相続人のみに認められていたため、例えば亡長男の妻がいかに献身的に夫の両親の面倒をみたとしても、亡長男の妻に相続権がないために、「寄与分」を主張することができませんでした。

                 

                被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族は、相続の開始後、相続人に対して、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭の支払いを請求することができる(民法1050条)

                 

                つまり、相続人以外の「被相続人の親族(特別寄与者)」「特別寄与料」を相続人に対して、金銭で請求することができるようになります。この「被相続人の親族」には、被相続人と養子縁組をしていない配偶者の連れ子(姻族1親等)も含まれます。

                 

                また、「特別の寄与」が認められるためには、「無償で」「療養看護その他の労務の提供」が必要であり、相続財産の維持増加に対する特別の貢献が必要です。

                 

                相続人との協議が整わない場合は、家庭裁判所に家事審判を申し立てることになるのですが、その際に、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他の一切の事情を考慮して、「特別寄与料」の額を定める(民法1050条)とされています。

                 

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                2019.05.10 Friday

                改正相続法のポイント(その4)〜遺留分

                0

                  今回は、2019年7月1日から変わる遺留分について解説します。

                   

                  現行法上は、遺留分減殺請求をした場合に、物権的な効力を有しています。つまり、不動産を対象とした場合には、共有状態におかれ、共有物分割訴訟をした上で、その不動産を単独所有の状態にしないと、売却したり、貸したりすることができません。

                   

                  今回の改正によって、物権的な効力はなくなり、遺留分侵害額請求権という金銭債権の請求のみとなりました。

                   

                  遺留分制度は、もともと遺族の生活保障や遺産の形成に貢献した遺族の潜在的持分の清算のためにあるといわれてきました。しかし、高齢化や環境の変化により、相続開始の時点において、子が経済的には自立しているケースが多くなり、核家族化により財産形成に相続人が寄与するケースは少なくなってきました。その一方で、遺留分制度が事業承継の障害となるという批判がありました。

                   

                  今回の改正によって遺留分権利者の範囲に変更はありません。兄弟姉妹以外の相続人です。

                   

                   崛蠡崖始時の相続財産」◆崛蠡崖始前1年間になされた相続人以外の者に対する贈与」「相続開始前10年間になされた相続人に対する特別受益に該当する贈与」が対象となり、この価額を合算したモノから相続債務の額を控除して、遺留分算定の基礎となる財産の価額を算出することになります。

                   

                  ただし、遺留分を請求する者には、特別受益に該当する贈与の場合に、10年間という制限がないことに注意しましょう(民法1046条第2項1号)。

                   

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                  2019.05.06 Monday

                  改正相続法のポイント(その3)〜遺産分割前における預貯金債権の行使

                  0

                    個々の相続人による遺産分割前の預貯金債権の行使を禁止した平成28年の最高裁大法廷決定を前提にした場合、仮分割仮処分の要件緩和のみでは、相続開始後の相続人の資金需要、つまり葬儀代などの緊急を要する出費の対策としては不十分でした。このため、改正相続法では、上記禁止の例外として、裁判所の判断を経ること無く、預貯金の一部の単独行使を認める規定を置くことになりました。

                     

                    各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の3分の1に第900条(法定相続分)及び第901条(代襲相続人の相続分)の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生活費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす(民法909条の2)。

                     

                    この法務省令で定める額は、「150万円」とされています。従って、相続開始時の預貯金債権額の「3分の1」に当該相続人の法定相続分を乗じた額で、150万円を超えない金額ということになります。

                     

                    相続債務の弁済や相続人の当面の生活費、被相続人の葬儀費用などの支出に充当するために、150万円を超える金額が必要な場合は、家庭裁判所に仮分割仮処分の申立をすることができます。この場合、裁判所は、150万円を超えて預貯金債権の行使を認めるかにつき、必要性と相当性の判断をすることになります。

                     

                    新法909条の2の規定は、2019年7月1日前に開始した相続であっても、7月1日以降に相続の対象となる預貯金債権を行使する場合には、適用されることになりますので、ご注意願います。

                     

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                    2019.05.03 Friday

                    改正相続法のポイント(その2)〜自筆証書遺言の保管制度の創設

                    0

                      今回は、改正法のうち、法務局における遺言書保管制度について解説します。

                       

                      遺言書の保管制度は、公正証書遺言については、従来より公証役場において保管する制度がありました。平成元年以降に作成された遺言公正証書については、「遺言検索システム」によって、全国どこの公証役場からでも、申出人が相続人であることを証明すれば、遺言書が作られていれば、検索することが可能となっています。

                       

                      遺言公正証書の数が、この5年間を見る限り伸び悩んでいます。平成30年11万0471件、平成29年11万0191件、平成28年10万5350件、平成27年11万0778件、平成26年10万4490件です。平成20年が7万6436件であったことを考えると、増加はしているのですが、70才以上の人口が2500万人を超えている現状から見ると、頭打ちしている感は否めません。そこで、今回の改正でも目玉となっているのが、この法務局での自筆証書遺言の保管制度です。

                       

                      「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が新たに制定され、令和2年7月10日から施行されます。この制度により、遺言公正証書と同様に、法務局に自筆での遺言書原本を保管した場合には、「遺言検索システム」が利用ができ、これまで時間と手間がかかるということで不評であった「遺言書の検認手続」を要しなくなります。自筆証書遺言の促進という観点から考えると、現時点では未定ですが、手数料も格安となることが予想されます。(同じ趣旨で導入された法定相続情報証明制度は、無料です。)この制度の導入により、相続登記の促進が期待されています。

                       

                      少子高齢化の影響と高齢の親が地方に住んで、子どもらは都会から帰ってこない現状の下で、空き家の問題が顕在化しています。相続登記が延びず、所有者不明土地が増えています。「相続人検索システム」や「相続登記の義務化」、「土地の所有権放棄制度」の導入などさまざまな対策は検討されているのですが、有効に機能するのか疑問です。

                       

                      不動産に限らず、資産の承継の問題は、まずは個々人が将来のあり様を考えて、遺言という形で自らの意思を示しておくことが必要だと思います。相続法改正を機会に、不動産のあるヒトもないヒトも遺言書の作成を検討してみては、いかがでしょうか?

                       

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