2019.10.17 Thursday

「面会交流」って何?

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    不幸にして両親が離婚をして未成年の子がいる場合に、日本の法律では共同親権が認められていないため、どちらか一方が親権者となり子を養育し、もう一方の別居親が養育費を支払うのが一般的です。

     

    そのため、離婚に併せて、親権者とならなかった別居親と子との面会の頻度などを決めることもあります。これを「面会交流」と呼んでいます。以前から子の監護処分の一つの形態として判例上も認められていましたが、現在では明文化されています(民法766条)。原則は、両親間の話し合いで決めることになっていますが、話し合いが難しい場合は、家庭裁判所の調停を利用することになります。

     

    ここで勘違いしてはならないのは、「面会交流」は、親や祖父母の当然の権利として存在するのではなく、「子の福祉」、つまり子どもの成長を優先して考える子どもの権利という点です。

     

    最近の問題は、この点をはき違えて、養育費を支払っているのだから、当然の権利として面会交流を主張しているヒトが多い点です。子の福祉や子どもの負担を考えずに、自分の都合ばかり主張する親が多いことに愕然とします。従って、現在の家事調停の中で、もっとも労力・時間を使っている調停事件が「面会交流」調停事件といっても良いでしょう。両親の間に入って苦しんでいる子の姿を想像できる親であってほしいと願うばかりです。

     

    * ちなみに、平成30年度の成立した「離婚調停」事件と「調停に代わる審判」事件で、面会交流の取り決めがあった(総数1万3018件)のうち、月1回以上の面会交流が5700件と一番多いものでした。「面会交流」調停の申立は、1万1866件で、成立7169件(60%)、調停に代わる審判は374件(3.2%)、認容審判は、910件(7.7%)でした。

     

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    2019.09.05 Thursday

    調停委員って何?

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      調停という制度をご存じでしょうか?

       

      裁判所では、裁判をする前に話し合いで解決する手段として、「調停」という制度を設けています。調停には、民事調停と家事調停の2種類があり、それぞれ民事調停法(以下「民調法」という。)と家事事件手続法(以下「家事法」という。)に定められています。

       

      民事調停は簡易裁判所で、家事調停は家庭裁判所で取り扱っています。民事調停は、お金の貸し借りから、公害・近隣関係に至るまで、一般に民事事件と呼ばれるモノ全般を取り扱います。

       

      家事調停は、離婚から、子どもの関係や、相続といった家庭内のトラブルを扱います。

       

      家事調停では、1件につき1200円と手数料が格安で、郵便切手代を含めても2000円程度で行うことができます。家事事件の場合は、「調停前置」(家事法257条 砲はたらくため、必ず訴えを起こす前に調停をしなければなりません。

       

      この調停を組織しているのが、調停委員会で、裁判官と調停委員で構成されます(民調法6条、家事法248条 法8什瀋環箘儖は、全国で民事調停委員が9788人、家事調停委員が1万1803人おり、調停に携わっています。

       

      調停委員により、調停制度の利用の普及・促進のため、各地で「無料調停相談会」を開催しています。詳しくは、日本調停協会連合会のHPをご覧ください。

       

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      2019.08.26 Monday

      調停委員による無料の相談会が行われます!〜ヒストリア宇部

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        調停委員による無料の相談会が、9月7日(土)午前10時〜午後3時まで、宇部市役所前のヒストリア宇部(旧山口銀行)において行われます。事前の予約は必要ありません。

        交通事故・金銭・土地建物・公害・家庭内の問題でお困りの方は、ふるってご参加ください。調停委員が、調停手続の利用についてご相談に応じます。

         

         

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        2019.08.05 Monday

        家事調停のお勧め

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          本年7月1日より相続法が改正された関係で、家事調停の申立書の一部が変更されています。家庭裁判所のHPをご覧になりますと、書式及び参考例が記載されていますので、これを参考に必要な方は申し立ててください。

          なお、写真は、遺留分侵害額の請求特別の寄与に関する処分です。

          (改正法の関係の事件は、令和元年7月1日以降に亡くなった方が対象となりますので、ご注意願います。)

           

           

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          2019.03.19 Tuesday

          成年後見人に「身近な親族」を選任することが望ましい!

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            本日の朝日新聞によると、

             

            最高裁は、後見人選任にあたり、これまでの弁護士・司法書士を中心とする「第三者後見人」を選任する方向から、一転して「身近な親族」を選任することが望ましいと方針を改めたようです。

             

            これまでの扱いは、親族では不正を招く恐れがあるので、専門職の後見人を選任する方向にありました。

             

            認知症患者が500万人を超えているにもかかわらず、成年後見制度の利用者が低迷している(平成30年12月現在;約21万8000人)現状を打破するために、方針を転換したのでしょうか?

             

            現在の選任の下では、第三者後見人に支払う報酬が高すぎて、利用することができない。第三者後見人の場合、親身になって対応してくれない、といった不満をよく耳にします。

             

            最高裁の基本的な考え方によれば、今後は後見人にふさわしい親族などの身近な支援者がいる場合は、本人の利益を確保する観点から、「親族ら」を後見人に選任することが望ましいということです。現在の「専門職後見人」も順次、柔軟に「親族ら」に交代させていく方針だそうなので、平成30年度の選任の割合が、親族8428人(23.2%)、親族以外2万7870人(76.8%)ですので、今後どのように変化していくかが楽しみです。

             

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            2019.02.18 Monday

            相続財産管理人の選任事件が2万件を突破しました!

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              司法統計によると、平成29年度の相続人不分明による相続財産管理人の選任事件の新受事件が2万1130件で、2万人を突破しました。

               

              相続人がいないか相続人が不明なヒトが亡くなった場合には、そのヒトの財産は究極的には国のものとなります。ただし、この遺産を国庫に引き継いだり、亡くなったヒトの借金を支払ったりするためには、「相続財産管理人」という立場の人を家庭裁判所で選任することが必要です(民法952条)。要は、「おひとりさま」で借金もあるけれども、それを上まわるほどの財産をもっている場合に、利害関係のあるヒトが家庭裁判所に申立をすることによって、借金を返したり、抵当権を抜いたりするヒト(財産管理人)を指定し、そのヒトがその後に余ったお金を国に返す制度です。

               

              平成20年度に1万2382件であったものが、平成25年1万7869件、平成26年1万848件、平成27年1万8618件、平成28年1万9810件と、どんどん増えていき、ついに2万件の大台に載りました。

               

              現在の「おひとりさま」が増加している現状から、今後も加速度的に増えていくモノと思われます。現在、家庭裁判所の審判事件のうち、4分の1は相続放棄事件が占めていますが、「おひとりさま」は相続放棄事件と関係がない分、財産に余裕があるヒトは、あらかじめ、死後の財産の行方を考えて、なんらかの準備をした方がよさそうです。

               

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              2019.02.13 Wednesday

              成年後見制度の相談はどこにするの?

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                先日の新聞記事に、成年後見制度の仕組みや利用する手続が複雑で、どこに相談に行ったらよいか分からないといった記事が載っていました。

                 

                私に言わせてもらえれば、このような疑問が上がること自体が、明らかに家庭裁判所の怠慢なのか、情報提供の不足によるものと思います。私は、平成5年(1993年)に家庭裁判所に奉職して以来、後見制度に一貫して関わってきました。禁治産宣告による後見人選任手続の時代はもとより、2000年の成年後見制度のスタート時から関わってきたのですが、当時も今も家庭裁判所で家事手続案内をして、後見制度のビデオやDVDを見てもらったうえで、丁寧に後見制度の説明をしてきたように思います。

                 

                現実に家庭裁判所が相談窓口の第1に上がっていないということは、明らかに情報提供不足だろうと思います。もっとも、最近の家庭裁判所の盛況ぶりから、職員と現実に取り扱う事件の釣り合いがとれなくなったのか、あるいは成年後見制度に裁判所自体が消極的に関わるようになってしまったかということも考えられるのですが・・・・。

                 

                成年後見制度が始まり、20年が経とうとしている今日、裁判所ではない第三者の後見監督機関の発足を望みます。おそらく、家裁の職員も以前に比べて多くはなっているものの、被後見人(対象者)が増え続ける現状において、後見監督には多大な労力を要しています。平成25年(2013年)に家事事件手続法が施行され、家庭裁判所の手続も一新しました。また、今年からは相続法も改正され、家庭裁判所の機能がこれまで以上に大きくなりつつある現状において、これまでのようにに後見人を管理・監督することが今後も可能であるかは疑問です。

                 

                司法の「窓口」が見えづらくなっている昨今において、家庭裁判所本来の機能を取り戻すことを望むばかりです。

                 

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                2018.05.25 Friday

                成年後見制度について(その2)

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                  先日(平成28年3月1日)最高裁判所が、認知症の91歳の男性が徘徊中に電車にはねられ死亡した事案で、JR東海が親族に対して損害賠償を求めた民事訴訟事件について、同居中の家族に監督責任を問えない旨の判断を示し、JR東海の請求を退ける判決を下しました。

                  老老介護が当然のように行われ、身近に頼りになる親族がいない者が多数存在する現在の状況下で、同居の妻が要介護1という本件事案においては、至極当然の結果を導いた最高裁の判断には敬意を表したいと思います。判決理由中、「同居の配偶者や成年後見人というだけでは、自動的に監督義務者に当たるとはいえない」旨判示しており、今後、この判決理由により救われる家族も多いものと思われます。

                  成年後見制度は、まだまだ世間に定着しているとは言いがたいものがあります。成年後見制度を世の中に定着させる意味でも、責任を明確にしておく必要があります。介護保険も十分に機能しているようには思えません。認知症の高齢者は、2012年に約460万人でしたが、2025年には700万人に達すると推計されています。9年後には、実に65歳以上の5人に1人が認知症となる計算になります。これはもはや他人ごとでは済まされない状況です。

                  最高裁は、監督責任を問える基準として、
                  \験莨況や心身の状態
                  ∨椰佑箸隆愀
                  F欝錣陵無や日常的な接触
                  ず盪佐浜への関わり
                  テ常的な問題行動があったかどうか
                  などを総合的に考慮して、「責任を問うのが相当と言える客観的状況が認められるか」を基準とするとしており、単純に家族の監督責任を否定した訳ではありません。

                  本件事案については、家族からすれば、身内の者が事故で亡くなった上に、電車を遅延させたり代替の列車に要した費用等の損害賠償請求をJR東海から受けたわけですから、踏んだり蹴ったりの事案です。しかし、不幸にして、今後同様な事件が起きた場合、誰に責任を問うことになるのか、損害を受けた者は泣き寝入りとなってしまうのか、今後に残された課題も多いように思います。

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                  2018.05.25 Friday

                  成年後見制度について(その1)

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                    2000年(平成12年)4月1日より、従来の禁治産・準禁治産に変わり、成年後見制度が施行されました。早いもので今年で、19年目になります。

                    準禁治産者のうち、浪費を原因とするものが無くなり、新たに後見開始(従前の「禁治産者」)・保佐開始(従前の「準禁治産」)に加えて、さらに軽度の判断能力に支障がある者を保護する補助開始という分類が取り入れられました。従前は、禁治産者・準禁治産者である旨を戸籍に記載していたのですが、成年後見制度の基では、東京法務局の一括管理に変わりました。

                    発足当初、新たな成年後見制度は、本人の自己決定権の尊重、障害のある人も家庭や地域での通常の生活をすることができるような社会をつくるという「ノーマライゼーション」の理念に基づくものでした。同時期に施行された介護保険法も同様な理念に基づいたものであったと記憶しています。つまり、本人の残存能力を家庭や地域の中で最大限に活用するという理念の下で発足したものでした。

                    ところが、成年後見制度の現状は、相次ぐ後見人の財産の不正流用により、裁判所の監督責任が問われ、後見監督が強化されるようになりました。いったん後見が開始してしまうと財産の保全が重視されるようになり、本人の気持ちは無視されているような気がしてなりません。当初最高裁は、親族後見人から第三者後見人(弁護士・司法書士・社会福祉士等)への移行を考えていましたが、頼りになるはずの第三者後見人の不祥事が続き、今では一定の財産があれば、後見制度支援信託を利用して、後見人が使えるお金を制限するようになってきました。

                    本人の財産の保護を考えると、もっともな面もあるのですが、本人の財産を本人の生前に本人や家族のために使っていないということに対しては少し疑問が残ります。残された家族、とりわけ本人の財産を唯一の依りどころとする配偶者ですら、本人の財産を有効活用することが許されない現状をみれば、判断能力が低下した時の場合に備えて、自分の財産を自己と家族のために使えるように、「家族信託」を利用して、信頼のおける者に託してみるのも、将来の財産管理の一つの方法かもしれません。

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                    2018.05.25 Friday

                    家事調停って何?

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                      家事調停を知っていますか?

                      家庭裁判所では、夫婦間や親族間の問題(離婚、養育費の支払い、遺産分割など)を話し合いで解決するために、家事調停を行っています。これは、裁判官と男女1組の調停委員で調停委員会を構成し、話し合いで紛争を解決するものです。この手続きには、家裁調査官や裁判所書記官も関与します。

                      調停で話し合った結果、合意ができた事項については、裁判官立会いの下で、裁判所書記官が調停調書を作成します。この調書は、確定判決と同等な効果が生じます。従って、財産の給付を記載した調書では、判決正本と同様、強制執行が可能となります。

                      遺産分割についても同様で、相続人間で合意が成立すると、調停調書に合意事項を記載します。この調書に基づき不動産の名義変更が可能となります。預貯金等についても、指定された相続人が単独で取得することになります。

                      家庭裁判所をうまく利用することで、紛争を早期に解決させたいものです。

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