2019.03.19 Tuesday

成年後見人に「身近な親族」を選任することが望ましい!

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    本日の朝日新聞によると、

     

    最高裁は、後見人選任にあたり、これまでの弁護士・司法書士を中心とする「第三者後見人」を選任する方向から、一転して「身近な親族」を選任することが望ましいと方針を改めたようです。

     

    これまでの扱いは、親族では不正を招く恐れがあるので、専門職の後見人を選任する方向にありました。

     

    認知症患者が500万人を超えているにもかかわらず、成年後見制度の利用者が低迷している(平成30年12月現在;約21万8000人)現状を打破するために、方針を転換したのでしょうか?

     

    現在の選任の下では、第三者後見人に支払う報酬が高すぎて、利用することができない。第三者後見人の場合、親身になって対応してくれない、といった不満をよく耳にします。

     

    最高裁の基本的な考え方によれば、今後は後見人にふさわしい親族などの身近な支援者がいる場合は、本人の利益を確保する観点から、「親族ら」を後見人に選任することが望ましいということです。現在の「専門職後見人」も順次、柔軟に「親族ら」に交代させていく方針だそうなので、平成30年度の選任の割合が、親族8428人(23.2%)、親族以外2万7870人(76.8%)ですので、今後どのように変化していくかが楽しみです。

     

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    2019.02.18 Monday

    相続財産管理人の選任事件が2万件を突破しました!

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      司法統計によると、平成29年度の相続人不分明による相続財産管理人の選任事件の新受事件が2万1130件で、2万人を突破しました。

       

      相続人がいないか相続人が不明なヒトが亡くなった場合には、そのヒトの財産は究極的には国のものとなります。ただし、この遺産を国庫に引き継いだり、亡くなったヒトの借金を支払ったりするためには、「相続財産管理人」という立場の人を家庭裁判所で選任することが必要です(民法952条)。要は、「おひとりさま」で借金もあるけれども、それを上まわるほどの財産をもっている場合に、利害関係のあるヒトが家庭裁判所に申立をすることによって、借金を返したり、抵当権を抜いたりするヒト(財産管理人)を指定し、そのヒトがその後に余ったお金を国に返す制度です。

       

      平成20年度に1万2382件であったものが、平成25年1万7869件、平成26年1万848件、平成27年1万8618件、平成28年1万9810件と、どんどん増えていき、ついに2万件の大台に載りました。

       

      現在の「おひとりさま」が増加している現状から、今後も加速度的に増えていくモノと思われます。現在、家庭裁判所の審判事件のうち、4分の1は相続放棄事件が占めていますが、「おひとりさま」は相続放棄事件と関係がない分、財産に余裕があるヒトは、あらかじめ、死後の財産の行方を考えて、なんらかの準備をした方がよさそうです。

       

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      2019.02.13 Wednesday

      成年後見制度の相談はどこにするの?

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        先日の新聞記事に、成年後見制度の仕組みや利用する手続が複雑で、どこに相談に行ったらよいか分からないといった記事が載っていました。

         

        私に言わせてもらえれば、このような疑問が上がること自体が、明らかに家庭裁判所の怠慢なのか、情報提供の不足によるものと思います。私は、平成5年(1993年)に家庭裁判所に奉職して以来、後見制度に一貫して関わってきました。禁治産宣告による後見人選任手続の時代はもとより、2000年の成年後見制度のスタート時から関わってきたのですが、当時も今も家庭裁判所で家事手続案内をして、後見制度のビデオやDVDを見てもらったうえで、丁寧に後見制度の説明をしてきたように思います。

         

        現実に家庭裁判所が相談窓口の第1に上がっていないということは、明らかに情報提供不足だろうと思います。もっとも、最近の家庭裁判所の盛況ぶりから、職員と現実に取り扱う事件の釣り合いがとれなくなったのか、あるいは成年後見制度に裁判所自体が消極的に関わるようになってしまったかということも考えられるのですが・・・・。

         

        成年後見制度が始まり、20年が経とうとしている今日、裁判所ではない第三者の後見監督機関の発足を望みます。おそらく、家裁の職員も以前に比べて多くはなっているものの、被後見人(対象者)が増え続ける現状において、後見監督には多大な労力を要しています。平成25年(2013年)に家事事件手続法が施行され、家庭裁判所の手続も一新しました。また、今年からは相続法も改正され、家庭裁判所の機能がこれまで以上に大きくなりつつある現状において、これまでのようにに後見人を管理・監督することが今後も可能であるかは疑問です。

         

        司法の「窓口」が見えづらくなっている昨今において、家庭裁判所本来の機能を取り戻すことを望むばかりです。

         

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        2018.05.25 Friday

        成年後見制度について(その2)

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          先日(平成28年3月1日)最高裁判所が、認知症の91歳の男性が徘徊中に電車にはねられ死亡した事案で、JR東海が親族に対して損害賠償を求めた民事訴訟事件について、同居中の家族に監督責任を問えない旨の判断を示し、JR東海の請求を退ける判決を下しました。

          老老介護が当然のように行われ、身近に頼りになる親族がいない者が多数存在する現在の状況下で、同居の妻が要介護1という本件事案においては、至極当然の結果を導いた最高裁の判断には敬意を表したいと思います。判決理由中、「同居の配偶者や成年後見人というだけでは、自動的に監督義務者に当たるとはいえない」旨判示しており、今後、この判決理由により救われる家族も多いものと思われます。

          成年後見制度は、まだまだ世間に定着しているとは言いがたいものがあります。成年後見制度を世の中に定着させる意味でも、責任を明確にしておく必要があります。介護保険も十分に機能しているようには思えません。認知症の高齢者は、2012年に約460万人でしたが、2025年には700万人に達すると推計されています。9年後には、実に65歳以上の5人に1人が認知症となる計算になります。これはもはや他人ごとでは済まされない状況です。

          最高裁は、監督責任を問える基準として、
          \験莨況や心身の状態
          ∨椰佑箸隆愀
          F欝錣陵無や日常的な接触
          ず盪佐浜への関わり
          テ常的な問題行動があったかどうか
          などを総合的に考慮して、「責任を問うのが相当と言える客観的状況が認められるか」を基準とするとしており、単純に家族の監督責任を否定した訳ではありません。

          本件事案については、家族からすれば、身内の者が事故で亡くなった上に、電車を遅延させたり代替の列車に要した費用等の損害賠償請求をJR東海から受けたわけですから、踏んだり蹴ったりの事案です。しかし、不幸にして、今後同様な事件が起きた場合、誰に責任を問うことになるのか、損害を受けた者は泣き寝入りとなってしまうのか、今後に残された課題も多いように思います。

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          2018.05.25 Friday

          成年後見制度について(その1)

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            2000年(平成12年)4月1日より、従来の禁治産・準禁治産に変わり、成年後見制度が施行されました。早いもので今年で、19年目になります。

            準禁治産者のうち、浪費を原因とするものが無くなり、新たに後見開始(従前の「禁治産者」)・保佐開始(従前の「準禁治産」)に加えて、さらに軽度の判断能力に支障がある者を保護する補助開始という分類が取り入れられました。従前は、禁治産者・準禁治産者である旨を戸籍に記載していたのですが、成年後見制度の基では、東京法務局の一括管理に変わりました。

            発足当初、新たな成年後見制度は、本人の自己決定権の尊重、障害のある人も家庭や地域での通常の生活をすることができるような社会をつくるという「ノーマライゼーション」の理念に基づくものでした。同時期に施行された介護保険法も同様な理念に基づいたものであったと記憶しています。つまり、本人の残存能力を家庭や地域の中で最大限に活用するという理念の下で発足したものでした。

            ところが、成年後見制度の現状は、相次ぐ後見人の財産の不正流用により、裁判所の監督責任が問われ、後見監督が強化されるようになりました。いったん後見が開始してしまうと財産の保全が重視されるようになり、本人の気持ちは無視されているような気がしてなりません。当初最高裁は、親族後見人から第三者後見人(弁護士・司法書士・社会福祉士等)への移行を考えていましたが、頼りになるはずの第三者後見人の不祥事が続き、今では一定の財産があれば、後見制度支援信託を利用して、後見人が使えるお金を制限するようになってきました。

            本人の財産の保護を考えると、もっともな面もあるのですが、本人の財産を本人の生前に本人や家族のために使っていないということに対しては少し疑問が残ります。残された家族、とりわけ本人の財産を唯一の依りどころとする配偶者ですら、本人の財産を有効活用することが許されない現状をみれば、判断能力が低下した時の場合に備えて、自分の財産を自己と家族のために使えるように、「家族信託」を利用して、信頼のおける者に託してみるのも、将来の財産管理の一つの方法かもしれません。

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            2018.05.25 Friday

            家事調停って何?

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              家事調停を知っていますか?

              家庭裁判所では、夫婦間や親族間の問題(離婚、養育費の支払い、遺産分割など)を話し合いで解決するために、家事調停を行っています。これは、裁判官と男女1組の調停委員で調停委員会を構成し、話し合いで紛争を解決するものです。この手続きには、家裁調査官や裁判所書記官も関与します。

              調停で話し合った結果、合意ができた事項については、裁判官立会いの下で、裁判所書記官が調停調書を作成します。この調書は、確定判決と同等な効果が生じます。従って、財産の給付を記載した調書では、判決正本と同様、強制執行が可能となります。

              遺産分割についても同様で、相続人間で合意が成立すると、調停調書に合意事項を記載します。この調書に基づき不動産の名義変更が可能となります。預貯金等についても、指定された相続人が単独で取得することになります。

              家庭裁判所をうまく利用することで、紛争を早期に解決させたいものです。

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              2018.05.25 Friday

              任意後見人って何?

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                任意後見契約を知っていますか?

                成年後見制度は、精神的な障がいや認知症などが原因で、判断する力が無いか低下している方のために、家庭裁判所がサポートする人を選任する制度です。

                これに対して、「任意後見契約」とは、判断能力を失う前に、予め自分が判断能力を失った場合に備えて、財産を管理してもらう人を選んでおくものです。従って、任意後見人をお考えの方は、ご自身が元気なうちに、後見人になってもらう予定の方と任意後見契約を結んでおく必要があります。

                任意後見契約は、公正証書によってなされなければなりません(任意後見法3条)。公証人が関与し、東京法務局に、任意後見契約の登記をします。その後、本人の判断能力の低下に伴い、任意後見人が家庭裁判所に「任意後見監督人」の選任を申立て、任意後見監督人が選任されることで、効力が発生します。つまり、任意後見人であっても、任意後見監督人の監督下に置かれることで、本人の財産を勝手に処分することができなくなり、本人の財産が守られることになります。

                老老介護が当たり前のご時世なので、誰がこの対象者となるかは誰も分かりません。将来的には、65歳以上の高齢者の4人に1人が対象者になると言われています。「おひとりさま」にあっては、「おひとりさま」同士で、万が一呆けてしまった時に備えて、財産の管理を相互に委託しておくことも一つの方法かもしれません。

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                2018.05.24 Thursday

                裁判所書記官って何?(その3)

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                  前回述べましたように、裁判所書記官と一口に言っても、様々な部署で多種多様な事務を行っています。裁判所の中の黒子のような存在で、裁判官が公正かつ適正な判断ができるよう補佐しています。同じ家庭裁判所であっても、船木出張所のような小さな部署では、書記官が課長を含めて二人しかいないため、家事事件手続案内(以前の「家事相談」)から事件受付・審判、調停の他、簡易裁判所の民事・刑事事件と全てをこなさなければなりません。広島家裁のような大きな庁では、家事部と少年部が分かれており、家事部であっても、遺産分割、後見事件、その他の審判、調停とそれぞれ専門部署が分かれています。

                  私が書記官事務に携わるようになった昭和62年当時は、民事立会書記官は証拠調べに追われていました。証人尋問、原告本人、被告本人尋問と続くのですが、1人ずつ3か月間隔で取り調べた後に証人調書、本人調書を作成するのが、主な仕事でした。口頭弁論・和解期日の他に、週1回1日5人の取り調べは当たり前のように行われていたため、少しでも事務が停滞すると記録が山積みになっていることもよくありました。

                   

                  その後、時代は変わり、手書き調書の時代から、ワープロを経てパソコンの時代になってくると、書記官は「コートマネージャー」であると言われるようになり、訴訟の進行管理に力を入れるようになりました。もっとも、家裁においては、私が初めて携わるようになった平成5年当時においても、進行管理が主流で、その後に民事・刑事が追いついてきた感があります。

                   

                  その後さらに「訴訟の迅速化」が叫ばれるようになり、裁判官との協働ということが言われるようになりました。裁判体の一員として同じ目的をもって、一体となって裁判の迅速化・適正化に資するという要請が強くなりました。司法改革が声高に叫ばれるようになりました。

                   

                  現在に至っては、書記官の仕事は、これまで膨らんだ裁判所法60条にいう「その他の事務」を整理して見直すことが求められています。書記官はこれまで「書き屋」、「段取り屋」、「何でも屋」に変遷してきた感があったのですが、今後はこれまで以上に、きちんとした法令の根拠に基づいた公証官としての適正な事務処理が求められるようになっています。

                   

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                  2018.05.24 Thursday

                  裁判所書記官って何?(その2)

                  0

                    家庭裁判所には独自の官職として、家裁調査官、裁判所技官がいます。家裁調査官は、裁判の命を受けて、審判等に必要な事実調査等を行い、その調査に基づき裁判官に報告することが主な仕事です。家事調停においては、当事者双方の調整役としても活躍しています。裁判所技官というのは、精神科医で、山口家裁の場合は嘱託医で常勤ではありませんが、岡山・広島等の大きい庁においては、専属の医師がいます。審判に際して、精神鑑定を行ったり、調停能力を調べたりします。

                    これに比べて家裁書記官というのは、存在しません。官職は、みんな裁判所書記官で、辞令一つで地方裁判所・簡易裁判所、家庭裁判所はもとより、高等裁判所、最高裁判所に配属されます。地方裁判所一つをとっても、民事部・刑事部があり、民事部であっても、通常訴訟事件のほか、執行事件、破産事件等数多くの部署があります。

                     

                    家裁にあっても、私がかつて所属していた山口家裁下関支部・岡山家裁津山支部・広島家裁福山支部にあっては、家事事件のみならず、少年事件も扱っていました。従って、裁判所書記官は、辞令を受けて配属された部署で一から実務の勉強をし直すこともまれではありません。私のように民事事件を6年続けて立ち会い、その後の約20年間を家裁で過ごす者は異例中の異例といっても過言ではありません。

                     

                    仕事内容の希望というのは、通ることもありますが、半分以上は通らないと思っていた方がよいでしょう。従って、公務員である以上、上から指示を受けた業務をソツなくこなす者が評価されるようです。

                     

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                    2018.05.24 Thursday

                    裁判所書記官って何?(その1)

                    0

                      裁判所というと裁判官のイメージが強すぎて、その他の職員のイメージが湧かない方も多いかと思います。そもそも私が家庭裁判所に勤めるきっかけになった「家栽の人」という漫画でも、家裁調査官は若くて元気な職員を描いているのですが、書記官は年配の職員を描いていました。先日亡くなられた原作者の毛利甚八さんも裁判官と家裁調査官には取材をされているようですが、書記官の仕事はよく分かっていないところが見受けられます。これまで裁判官や家裁調査官は何度もドラマ化されているのですが、書記官を描いたドラマが無いのが残念です。

                       

                      そこで、何回かに分けて裁判所職員の説明、とりわけ裁判所書記官の実態を説明してみようと思います。いつか日の目を見て、ドラマ化される日がくればよいと思いつつ・・・。

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